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フォールド済みBTNのスタック別ICMコール比較|14スポット検証

カテゴリー: トーナメント戦略 | 日付: 2026年9月16日 | 更新: 2026年9月28日 | 著者: GTO Gecko
3人用ポーカーテーブルに大きさの異なる3つのチップスタックと伏せたカードが置かれ、中央から各席へ細い光の線が伸びる俯瞰図。

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結論から言うと、保存済みのICMソリューションでは、BTNが10bbのときAJoは100%コールでコールEVは+0.270pp、BTNが5bbのときは100%フォールドでコールEVは−0.268ppでした。 SBは40bb、BBは20bb、コール額は19bbで同じです。違うのは、すでにフォールドしたBTNのスタックだけではありません。総チップ量、各プレイヤーの到達レンジ、SBの小さいレイズサイズも変わります。

そこで、同じSB・BBスタックを持ち、BTNスタックが異なる7組・14シナリオを調べました。短いBTNのシナリオでは、7組すべてでBBの集計コール率が低く出ました。ただし、これは保存された別々のモデルに共通して見えたパターンです。「BTNが短くなったことだけが原因」とする因果実験ではありません。

3種類の数値を分けて読みます。 ①ライブラリに保存された頻度と、フォールドとの差として保存されたアクションEV、②同じスタックと賞金から別計算した静的ICM、③両者をつなぐ戦略的な解釈です。①と②は検算できますが、③は説明の仮説です。

保存済み出力:同じ19bbコールでAJoの符号が反転

各プレイヤーが0.12bbのアンティを払った後、ブラインドを置く前のスタックをBTN/SB/BBの順に5/40/20bb、または10/40/20bbとします。BTNがフォールドし、SBは20bbまでレイズしてBBをオールインに追い込みます(SB自身には20bb残ります)。BBはすでに1bbを置いているので、21.36bbのポットへ19bbを追加する判断です。

残り賞金は元の賞金総額の15.19%、10.96%、7.94%で、合計34.09%です。保存済みEVの単位は残り賞金総額に対するパーセントポイント(pp)で、フォールドを0としています。+0.270ppは、残り賞金が1万ドルなら27ドル相当のモデル上の差です。チップEVやbbではありません。

SB 40bb/BB 20bb。頻度とEVは保存済みソリューションの値。EVはフォールドとの差で、残り賞金に対するpp。
ハンドBTN 10bb
コール頻度
BTN 10bb
コールEV
BTN 5bb
コール頻度
BTN 5bb
コールEV
AJo100%+0.270pp0%−0.268pp
ATo100%+0.184pp0%−0.402pp
88100%+1.342pp100%+0.122pp
5514%−0.012pp0%−1.132pp
KQo62%+0.002pp0%−0.644pp

AJoとAToはコールEVの符号まで変わります。一方、88はBTNが5bbでも+0.122ppで100%コールです。「自分より短いスタックが残っているなら全部フォールド」とは読めません。KQoの+0.002ppは保存形式のEV刻み1段分で、55の混合もコールEVが−0.012ppです。こうした境界値から普遍的なカットオフを作るのは危険です。

BTNが5bb、SBが40bb、BBが20bbのときのBBコールレンジ。AJoはフォールドで、BB全1,326コンボの集計コール率は4.0%。
BTN 5bb時のBBレンジ。セルはSBの20bbレイズ(BBに対する実効オールイン)への条件付きアクション頻度です。
BTNが10bb、SBが40bb、BBが20bbのときのBBコールレンジ。AJoは100%コールで、BB全1,326コンボの集計コール率は11.6%。
BTN 10bb時のBBレンジ。色はエクイティではなく、各ハンドクラスのコール/フォールド頻度です。

独立計算:5bbのBTNがいるとフォールド価値が高い

次に、保存済みのハンド別EVとは別に、スタックと賞金だけを使って静的ICMを計算しました。BBがフォールド、勝利、敗退した後のチップ配分を列挙し、各着順の確率と賞金を掛け合わせます。引き分けと将来のハンド進行は扱いません。

SB 40bb/BB 20bb。BBが得る残り賞金の比率。上表の「コールEV」とは別の絶対的な結果価値。
BTNフォールド勝利敗退引き分けなしの
損益分岐勝率
5bb34.125%39.289%23.291%67.7%
10bb32.842%38.351%23.291%63.4%

損益分岐勝率は (フォールド価値 − 敗退価値)÷(勝利価値 − 敗退価値) です。BTNが5bbなら、先に敗退せず残る価値が相対的に大きく、必要勝率は4.3ポイント高くなります。ただし、実際のハンドには引き分けがあり、SBの到達レンジもシナリオごとに違います。この67.7%をAJoの必要エクイティとして保存済みEVへ代入してはいません。

レンジの変化:SBは広くオールイン、BBは狭くコール

BTN 5bbのモデルでは、SBの20bbレイズ(BBに対する実効オールイン)に到達する重みは946.512コンボ、SBのカード除去前レンジ1,326コンボの71.4%でした。BTN 10bbでは646.112コンボ、48.7%です。それでもBBの集計コール率は前者で4.0%、後者で11.6%でした。「相手のオールインが広いからコールも広げる」と賞金圧力を無視して結論づけることはできません。

相互のカード除去と、フォールド済みBTNのカード効果を再構成する前の組合せ加重集計。
BTNSBオールインの
重み付きコンボ
SBオールイン率BBコール率SBの小さいレイズ
5bb946.51271.4%4.0%3.5bb
10bb646.11248.7%11.6%2.5bb

両方の保存済みツリーにはリンプと小さいレイズもあります。TT〜AAはこのオールイン到達レンジに含まれず、小さいレイズ側へ回っています。BTNスタックと一緒にSBのアクションメニューも変わるため、差を「フォールド済みスタックだけの効果」とは呼びません。

14シナリオ:短いBTN側は7組すべてで低いコール率

同じSB・BBスタックを持つ7ファミリーを抽出しました。最初の2組で仮説を見つけ、残り5組は数値を見る前に検証用として分けました。短いBTN側のBB集計コール率は、検証用5組を含む全7組で低くなりました。

7つのSB・BBスタック組すべてで、短いBTNのシナリオは長いBTNのシナリオよりBBの集計コール率が低い。差は約2.7ポイントから24.2ポイント。
BBの1,326コンボを、ペア6・スーテッド4・オフスート12コンボで重み付けした周辺集計です。カード除去を反映した実現ハンドの出現率ではありません。
「短/長」はBTNスタック。移植リグレットは、長いBTN側のコール混合を短いBTN側へ移したとき、短いBTN側の最良保存アクションから失う局所EV。
SB/BB区分BTN 短/長BBコール率
短/長
平均移植
リグレット
95%点
10/20bb検証5/30bb19.9/34.0%0.0396pp0.374pp
10/30bb発見5/20bb18.6/31.0%0.0221pp0.216pp
30/10bb検証5/20bb10.0/34.2%0.1390pp0.862pp
40/20bb発見5/10bb4.0/11.6%0.0295pp0.268pp
20/30bb検証10/25bb10.1/13.9%0.0108pp0.015pp
5/40bb検証15/20bb54.9/58.1%<0.001pp0.000pp
40/5bb検証15/20bb57.5/60.2%<0.001pp0.000pp

移植リグレットは、短いBTN側での最良保存アクションEVから、長いBTN側のコール/フォールド混合を同じハンドへ移したEVを引いた値です。相手を再計算せず、移植先の継続戦略を固定した局所診断にすぎません。SB30/BB10では平均0.1390pp、95%点0.862pp。主比較のSB40/BB20では平均0.0295pp、95%点0.268ppで、移植先の保存済み混合自体は同じ計算で平均約0.00001ppでした。

レンジが狭くても、EV差が小さい場合がある

SB40/BB5では、BTNが20bbから15bbになるとBBコール率は60.2%から57.5%へ低下しました。しかし、長いBTN側の混合を移した平均局所リグレットは0.001pp未満、最大でも約0.040ppです。平均値はEVの保存刻み0.002ppより小さく、細かな小数に戦略的な意味を持たせられません。

集計方向と個別ハンドの方向が一致しない例もあります。SB5/BB40の65sは、BTN 15bbで91.2%コール、BTN 20bbで63.6%コールでした。BTN 15bb側のコールEVはわずか+0.002ppです。レンジ図の色が変わったら、まずEV差を確認するべきで、頻度差だけを大きなミスとみなすべきではありません。

実戦に持ち込む前の5分レビュー

  1. 最初の表のEV列を隠し、BTN 5bb/10bbそれぞれでAJo、88、55を予想します。
  2. 残り全員のスタック、賞金、アンティ、実効コール額、相手がそのアクションへ到達したレンジを書きます。
  3. GTO Geckoで利用可能なプリコンピュート済みスポットをオフテーブルで開き、レンジ、混合頻度、EVの推定値を比較します。利用できるライブラリはプランによって異なります。

ICMの価値変換を先に復習するならICM戦略の基礎、ファイナルテーブル全体の判断枠組みはファイナルテーブルのICM戦略を参照してください。

データと再現可能な集計

公開資料には、14シナリオのノード要約JSON、7組の比較とリグレットJSON、主要ハンドJSON、図示レンジの正確なJSON、レンジ構成JSONがあります。日本語版図表の集計式、単位、再生成手順は日本語の図表資料、研究全体の静的ICM計算、局所リグレット、感度検査、限界は英語の研究READMEに記録しています。

調査方法と限界

2026年9月16日に、3人残りのシナリオツリー14本と圧縮された意思決定データを取得しました。BBの2,366ハンドクラス行はすべて正の到達重みを持ち、そのうち検証用10シナリオは1,690行です。独立した標本が数千あるのではなく、比較単位は関連する7スタック組です。元モデルは参加者1,000人・入賞150人で、残り3賞だけを使い、バウンティは含みません。

頻度は0.4パーセントポイント刻み、EVは0.002pp刻みです。BB集計はペア6、スーテッド4、オフスート12コンボで重み付けしました。SBのオールイン重みは到達重みと条件付きオールイン頻度を掛けています。相互のカード衝突や、フォールドしたBTNのカード除去効果は共同出現分布として再構成していません。

元ソルバーのバージョン、抽象化方式、収束精度、将来ゲーム設定は不明です。正の頻度が付いたBBのアクションのうち10件は、同じ保存ノードの最良アクションより0.02pp超低く、最大差は0.082ppでした。したがって混合部分が厳密に無差別だったとは断定できません。見出しで扱ったAJoと88の比較は、この10件には含まれません。

静的ICMは将来のブラインド移動や座席変化を表現しません。移植リグレットも相手を再計算せず、トーナメント全体の一貫した方策、実戦の人間の成績、金銭的な結果を推定しません。元の独自ツリー全体は公開資料に含めず、選択した集計と図の根拠だけを公開しています。ヘッダー画像はAI生成の記事用イラストで、レンジ図、比較図、表は保存数値から決定論的に作成しました。

出典と確認日